作者 渡辺鉄太 文 / 南伸坊 絵
初版 2021年2月5日
対象年齢 読んであげるなら 3才から
自分で読むなら 小学校初級向き
ページ数 32ページ
出典:https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=6768
一言紹介
言葉の意味の深さ、コミュニケーションの難しさを教えてくれる一冊。
レビュー
読みやすさ ★★★★★ 会話文の前に誰の会話かを書いてくれている。
登場人物ごとに声色を変えたいときに読みやすい。
絵 ★★★★☆ なぜかおじいちゃんの絵がとても好き。
ユニーク ★★★☆☆ 絵に少しくせを感じる人もいると思う。
おすすめシーン
読み聞かせ ★★★★★ 子供と会話の難しさ、大切さを話し合える絵本。
寝る前 ★★★★☆ 単調で寝る前にちょうどいい満足感。
プレゼント ★★★☆☆ 多少絵にくせがあるので、親しい人へのプレゼント向け。
概要・感想
登場人物は、おばあさんとおじいさんとたくさんの動物たち。
おばあさんの作ったおいしそうなケーキをめぐるお話。
おばあさんが作った大きなケーキをおじいさんに『半分だけ食べてもいい』と伝えて、おばあさんは外出してしまいます。
当然おばあさんは、最初の状態から半分残しておいてほしいことを伝えたつもりでした。
しかしながら、おじいさんもたくさんの動物たちも、今残っている状態から半分食べてもいいと考えてしまい、どんどんどんどん残りのケーキは少なくなってしまいました。
同じ『はんぶん』という言葉でも、解釈を間違えると全く違う結果になってしまう。
仕事や生活をしていて、このようなことはたくさんある。
相手の勘違いを誘う言葉は山ほどある。
例えば、好き、ちょっと、ちゃんと、わかった、大丈夫、、、etc.
これらの言葉を使うときには、それを説明する別の言葉を尽くさなければ、自分が伝えたいことと相手に伝わったことが容易にずれてしまう。
きっと、数字や固有名詞などの他に意味を持たない言葉以外は、それだけで使ったときに相手の勘違いを誘ってしまうのだろう。
絵本では結果的に、みんなでおばあさんのために、ケーキの埋め合わせをしたので、楽しく話は終わっているが、みんなが悲しまないためには、みんながどのように行動するべきだったのか、考えさせられた。
きっと、話を聞く立場としては、相手がどういう目的で『半分だけ食べてもいい』と伝えたのかを考えなければいけなかったのだと思う。
そして、話をする立場としては、相手が勘違いしないように、もう少しだけ言葉を尽くして、説明してあげるべきだったのかもしれないと思う。
他にもコミュニケーションをとるときに気を付けるべきことがたくさんあるのだと思う。
そんな大人になっても難しいコミュニケーションの取り方を考えさせてくれる絵本でした。
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